"たきえ"でいたい。
森下裕美の、ここだけのふたり!が好きなのだが
主人公の団地奥さん仲間に”たきえ”という登場人物がいる。
そして、主人公の古い友人に多々尾君というヤツがいる。
詳細は省くが、両者自分の興味のある事に忠実で貪欲なキャラ付けをされている。
子を産んでから、ふと自分を思い返す時にに上記の2人を思いだす。
たきえは子供を産んでもずっと己を見失わず、ずっとたきえなのだ。
多々尾君は子供が生まれて以降、独身時代にのたまわっていた
宇宙人に攫われた話や怪奇現象の話よりも、我が子のビデオ鑑賞強要を
主人公にさせ、おまえ大丈夫なのか?と逆に心配されるようになった。
ちゃんと、たきえでいれているのか心配になる。
別に多々尾君が悪いとかでは無いが、自分を見失いたくない。
子の母になっても、新装開店をする必要はない。
自分、主人の配偶者、子の母となって色々と肩書が増えたが
根幹の自分が消失しつつないか、何故か心配になる。
理由として、自分だけの為に使っていた時間が、ほぼ皆無故。
当然といえば当然だし、傍から見たら充分に独身気分は抜けていない。
ただ、それでも何とも言えない自己消失への恐怖感がある。
整理の付かない感情なのだけど、はっきり言えるのは
ちゃんと、たきえでいる!って事だ。