生活をする

日々の記録

知り合いの話①

 

友人というか、友人の元彼氏(以降B氏)なのだが

ほんとB氏の人生はドラマのようだ。

別れても付き合いがある友人から、彼の近状を聞くのが毎度渡米時の

お楽しみだったのだけど、今回も笑わせてくれた。

 

B氏はアッパーミドルクラス出身の白人で、

私が付き合いのある人間の中でもっとも人間が出来ている。

聡明で人間力も高く会話も面白くジョークも言える、

ほんと文句なしで「素晴らしい人間」だ。

白人なのに見た目が志村けんというオプション付きなのも良い。

若い時はボーイングで宇宙衛星の技術者だったらしいのだが

自分がしている事は人殺しだ・・・と思い悩み

ボーイングの軍事衛星の責任者だったそうだ)

年収4000万を捨て大学院に戻り、高校の先生になった。

現在B氏が勤務する高校は特殊な高校で普通の高校ではない。

WATTSというLAカウンティにおける治安最悪地域にある。

ギャング関係者しか住んでいないと言っても過言ではない。

そういうった地域でも優秀な子供たちはいるわけで、

家庭環境に問題がある子供たちにも教育のチャンスを与える

プロジェクト高校でB氏は教師をしている。

在籍生徒は本当に皆優秀らしく、奨学金をとり有名大学へ進学していくそうだ。

最初は白人であるB氏は生徒から虐めを受けていた。

「白人が何を偉そうに分かったふりを」的な感じなのだろう

授業中に生徒達からチートスを投げつけられ、

授業終了後にチートスを掃除するB氏。

アメリカの高校はクラス内の備品は教師が用意するのだが

その備品を盗まれまくるB氏。可哀そうw下がり眉で悲しい顔のB氏が浮かぶ

「初めて差別が何かって事か分かった気がする」と友人にこぼしていたそうだ。

ふふふふ、白人であるB氏は肌の色が違うというダケで理不尽な扱いを

受けた事がないのだ。そんなB氏もWATTSの高校では差別を受ける側なのだ。

生徒達からの手厳しい洗礼を受けるも、本当にB氏は良い奴だし教師として

大人として生徒達と向き合う事半年、徐々に生徒達が受け入れだしたそうだ。

親戚からレイプされている生徒や、親から身体・精神的な虐待を受ける生徒

家族がギャングの抗争で亡くなる等の生徒からの相談を親身に受け止め

彼が出来うる全ての事をしつくすB氏。

生徒達に明るい未来が先にあるという事を導くB氏は本当に良い先生だと思う。

B氏は生徒達の知的好奇心の探求をサポートするにも熱心で

自らスポンサーを探し旅費を工面。

当時はまだキューバと国交断絶中にもかかわらず生徒数人を

キューバに引率しカストロ議長のスピーチ6時間耐久に行くなど

生徒たちに素晴らしい夏の経験を提供する等をしている。

ちなみにB氏は一切スペイン語などわからない・・・

何を言ってるかわからないけど、すごい心に響いたそうだ。

かわっとんな・・・

 

B氏の家のガレージは物が溢れかえりゴミ屋敷みたいになってるのだが

一つ一つを見ると、生徒達からのプレゼントだったりメッセージカードだったりする。

それを見ると、あーB氏はあの高校には欠かせないスーパー教師で

B氏に救われた子供たちは数しれんなと目でみてわかる。

 

そんなB氏に、まさかのトランプ政権余波が今年押し寄せた。

ほんと不幸としか言いようがないのだけど、大笑いしてしまった。

 

②に続く